明治安田生命保険次期社長 (2005/11/14

岩手日報 2005年11月8日 火曜日 夕刊4面 時の人

「明治安田生命保険の次期社長に決まった 松尾憲治さん

 不当な不払いによる二度の業務停止と専務以上の役員総退陣ー。社会の信頼を失い経営難に陥った生保大手、明治安田生命の新社長として、経営を抜本的に立て直す大きな役割を託された。
 他の大手生保トップは60歳代で、最年少となる戦後産れの56歳。今春常務に昇格したばかりで”大抜てき”となるが「逃げないのがモットー。これまでもそれでやってきた」と大役にもおくする様子はない。
 周囲の人も驚くほど「腹が据わった人間」と評する。二日前に金子亮太郎社長から、次期社長就任を要請された際も「明治安田生命が置かれている環境を考えると、自信があるとか、ないとか言っている状況にはない」と、ためらうことなく即断した。
 社長を引き受けたからには「覚悟を決めてやる」と、これまでの社風やタブーを打ち破る考えだ。保険金不払いの原因についても「当時の経営陣の責任だ」と、これまでの上司に対して歯に絹を着せぬ言い方。「必ず復活させる。信じて欲しい」と、失墜した信頼回復に強い決意を示した。1973年に旧明治生命入社以来、経営の中枢である企画部門を長く歩む一方、営業、運用畑などにも豊富な経験を持つ。部下からの信頼も厚く、もし今回のような不祥事がなくても「将来の社長候補」と目されていた”旧明治のエース”だ。周囲からは「登板機会が早まっただけ。必ず何とかしてくれる」と、期待を一身に集めている。
 趣味はエアロビクス。56歳。福岡県出身。」





1年に2度の営業停止処分は過去にないことです。無期限での新商品販売停止も、とても重い処分というか、それだけ過去に無い位悪質な不当不払いが、行われていたとしか考えられません。途中新聞沙汰にもなった、明治出身者と安田出身者の確執も表面化して、信じられない位すっきりしない物が有ったのは、私以上に契約者の皆さんだと思います。特に可愛そうなのは、現場で働く営業社員です。お客様からの風当たりも一番ひどいと思います。松尾新社長を中心に、明治安田生命だけでなく、保険業界に対する不信感も払拭するくらいの改革に取り組んで欲しいものです。

 生保業界のみならず、損保業界も同じ保険業界として、改めて信頼回復のためにも、顧客の視点にたったお役立ちのための仕事に専念して欲しいものです。家族と社員のために、安心する為に加入する保険で不信感を与えては、本末転倒です。襟を正し喜ばれ感謝される業務を行うべきだと痛切に感じます。(田中広江)